Merchbar: アーティスト公式キュレーションEコマース

このブログではアプセルチームが注目しているスタートアップ・事業を紹介していきます。アプセルはアプリを軸にしてクライアント企業と事業開発をしています。幅広い業種と関わる都合、様々な事例を取り上げていきます。

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Merchbar(https://www.merchbar.com/

事業内容:ミュージシャン・アーティストのレコード、アパレルなど公式グッズを取り扱うマーケットプレイス。 「アーティスト公式」という点にポイントがあり、25,000アーティストのグッズを販売。

企業概要、経営陣について:

創業は2,013年。もともと、創業者のEdward Aten氏は音楽関連のサービスを長く手がけている。Merchbarの前はSoundcloudのような音楽のクラウドストリーミング配信Swift.fmを経営していた。このため音楽業界とのつながりは持っている人物がMerchbarも創業し、多数のアーティストと契約してグッズ販売を行っている。

資金調達:これまでに3回の資金調達ラウンドで合計860万ドルを集めている。

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出展 Crunchbase:https://www.crunchbase.com/organization/merchbar#section-funding-rounds

このサービスの魅力:

・アーティスト公式グッズは公式サイトの1コーナーで売られていることが多い。下のスクリーンショットはR&B歌手のKahlid(カリード)の公式グッズ。サイトからストアへ遷移して閲覧する。人気アーティストになると早めに売り切れる、日本からの購入は海外通販になるためドル決済、1ヶ月程度かかる海外配送などが購入ハードルになっている。

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・Merchbarでの購入体験はこれらの課題のいくつかを解決してくれる。1)Merchbarのアラートにお気に入りアーティストを登録しておくと新着アイテムを教えてくれる。2)商品の価格表記をユーザの国、通貨に合わせて変換。3)複数アーティストのグッズを横断して一括購入可能。

・Spotifyと提携。Spotifyリスーナーがアーティスト名でMerchbarの商品を閲覧。気に入れば公式も買える仕組み。公式グッズは音楽、アーティストのファン向けなので音から入る販売ルートはもっと自然かつ強力だ。

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Merchbarの仕組み

・アーティスト公式サイトのSKUとMerchbarではデータ・在庫数の共有している。公式サイトのショッピングサイトで裏でデータ連携する仕組みは構築しているようだ。

※中にはMerchbarが仕入れている(アフィリエイトでなく在庫を保有)ようで、公式サイトで取扱いの終わったものも販売している。

左がMerchbar、右がKhalid公式

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・アーティスト名検索(SEO)からの流入。アーティスト名とグッズ(march)で検索するとMerchbarが上位表示されてくる。アーティスト名から流れてきたユーザが顧客になると次回以降の購入も期待できる。* khalid merchで検索

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・Merchbarのビジネスモデルの評価

非上場企業のため詳しい業績など不明なため推測で評価している。

資金調達ラウンドは3回にまたがっており2017年に460万ドル、2018年300万ドルを調達しているが、過去2回は期間も短く昨年はダウンサイズしており、勝負をかけているか、資金消化が早まっているのか。シミラーウェブの数値は過去半年はじっくり上がっており、成長しているが急成長というわけではない。

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ビジネスモデル:2通りのビジネスがあるはずで、1つ目がアフィリエイトの手数料モデル。2つ目が通常の仕入れ、小売り。アーティストと契約する上でどちらを求められるのか。普通に考えれば大物アーティストになればなるほど販売力がある分けで買い取りを要求されるはずだ。アーティストもグッズ販売に力を入れており、自前のオンラインストアの運営、コンサート会場限定のグッズ販売(来た人しか買えない)、作品発売時に限定的に受注生産での販売を行うなどのパターンが存在している。

事業魅力度・競合差別性:

ファンにとって希少性および強い商品力・ブランド価値を持つ公式グッズ。それを扱うマーケットプレイスというモデル自体は、Amazonなどと直接競合するものではない。ファンは何度もグッズを買う可能性が高い。リテンションを確保できればユーザ獲得のROIを高める設計は可能そうだ。

*リテンション・LTVを高める仕組みとして、お気に入りアーティストの登録、メルマガやアプリでのアラート、という仕組みがある。

アーティストとの仕入交渉、契約はこのビジネスならではの癖がありそうだ。レーベル、アーティストのマネジメントとどう契約しているのか。ある程度、音楽業界に精通した人材がほしい。

技術・オペレーション:Shopifyに代表されるショッピングカートは格段にレベルが上がっており、それらの上でアーティストがストア運営している場合は、在庫・データの接続は柔軟に対応できそうだ。配送管理はグローバル配送かつアーティスト側との連携が必要なため工夫が必要だ。しっかり顧客対応するためにはアーティストから仕入れて物流・配送管理まで自社で手がけた方が高いサービスレベルが実現できる。

この事業はそういう意味で、1)アーティストとの契約・関係性、2)仕入・配送・顧客対応、3)在庫回転・利益率・キャッシュのバランス、4)アーティスト名を活用したマーケティングの4点をうまく回せるかどうかにかかっている。

補足:Merchbarのアプリ

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