毎年この時期に米国ベンチャーキャピタリスト メアリー・ミーカー氏が発表する「インターネットトレンド2018」が先週発表された。今回も294ページという大容量で広くテクノロジー業界関連のトレンドをデータ付きで発表されている。
■通信機器の普及、利用時間の増大、動画などメディア活用の伸びから考えられる今後のサービス・ビジネスの在り方。
・モバイル・PC合わせた利用時間は1日5時間以上。
・スマホでの動画視聴時間は1日30分以上。
・Googleの音声認識技術は人と同じレベルの90%に到達。人が認識する声は、音声認識技術でも同レベルで理解できる。
・Facebookの一人当たりのユーザから得られる売上は2,015年の16ドルから17年は34ドルに。
と威勢の良いデータが盛り込まれている。この294ページの資料を見ていると、起業家が求める事業の実現性は技術や環境面の障害がなくなって来たことを実感する。数年前でもまだ早い、と思えたことは今日時点では実現してしまっていることもある。
・ヒットサービスのユーザ数が数億人単位で数えられることも多くなってきている。SNSなどネットメディア以外でのユーザ数も数億人!
個人的な前半のハイライトがサブスクリプションサービスの伸びだ。Netflix(動画)、Amazon(コマース)、Spotify(音楽)、プレイステーション(ゲーム)、Dropbox(ファイルストレージ)、ニューヨーク・タイムズ(新聞)、StitchFix(ファッション)、LegalZoom(法務サービス)、Peloton(フィットネス)など他分野で継続課金のサブスクリプションモデルで高い伸び率を記録している。前年比20%〜50%のような数字だ。モノやサービスが売り切りでなく継続的に課金するものになったことが実感できる数値。
この294ページのレポートの特徴は意図的な結論を持ってくるためにデータをまとめている、というよりもデータの数々から読み手によって違う示唆を与えてくるタイプのレポートだ。あらゆる業界の人が読んでもそれぞれ参考になる点がある。
メアリー・ミーカーさん、今年もありがとうございました。
スライドURL:https://www.slideshare.net/kleinerperkins/internet-trends-report-2018-99574140