Luckin Coffee: 2019年中に中国No.1のコーヒーチェーンを目指す

昨年2018年に創業したての中国スタートアップLuckin Coffeeが2019年中にスタバを超えて、提供カップ数中国No.1を目指すと宣言しています。

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中国のコーヒーチェーン市場は今スタバが断トツのNo.1で、2018年5月時点で3,300店舗、2022年までに6,000店舗までの増加を目指しています。Luckinは、現在の2,000店舗から今年の終わりまでに4,500店舗まで増やすと話しています。

Luckinの戦略にはいくつかの特徴があります。

1) 注文はアプリでのみ可能
スタバの決済アプリも成功していると言えると思いますが、あくまで選択肢の一つで現金やクレジットカード払いの方が多い状況ですが、Luckinはアプリでしか注文、決済ができない仕組みになっており、全てがアプリで完結しています。

2) デリバリーに注力
スタバが今年の8月に初めてデリバリーを始めたのとは対照的にサービス開始時点からデリバリーを実施し、多くの店舗がデリバリー専門であったり客席を大きく設けておらず効率的に運営ができるようになっています。

3) コーヒーの値段
スタバと比べて平均30%程度は安い。

近い将来、中国ローカルのLuckinが20年かけてブランドを育ててきたスタバに勝つ日が来るのか。最新のテクノロジーを駆使して既存のビックブランドに挑んでいるという点でも興味深いですし引き続き、注目していければと思います。

* 出典
https://techcrunch.com/2019/01/03/luckin-vows-to-topple-starbucks/
https://adamcogan.com/2018/12/05/luckin-coffee-vs-starbucks-a-luckin-success-in-china/

Luckin Coffee: 2019年中に中国No.1のコーヒーチェーンを目指す

Merchbar: アーティスト公式キュレーションEコマース

このブログではアプセルチームが注目しているスタートアップ・事業を紹介していきます。アプセルはアプリを軸にしてクライアント企業と事業開発をしています。幅広い業種と関わる都合、様々な事例を取り上げていきます。

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Merchbar(https://www.merchbar.com/

事業内容:ミュージシャン・アーティストのレコード、アパレルなど公式グッズを取り扱うマーケットプレイス。 「アーティスト公式」という点にポイントがあり、25,000アーティストのグッズを販売。

企業概要、経営陣について:

創業は2,013年。もともと、創業者のEdward Aten氏は音楽関連のサービスを長く手がけている。Merchbarの前はSoundcloudのような音楽のクラウドストリーミング配信Swift.fmを経営していた。このため音楽業界とのつながりは持っている人物がMerchbarも創業し、多数のアーティストと契約してグッズ販売を行っている。

資金調達:これまでに3回の資金調達ラウンドで合計860万ドルを集めている。

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出展 Crunchbase:https://www.crunchbase.com/organization/merchbar#section-funding-rounds

このサービスの魅力:

・アーティスト公式グッズは公式サイトの1コーナーで売られていることが多い。下のスクリーンショットはR&B歌手のKahlid(カリード)の公式グッズ。サイトからストアへ遷移して閲覧する。人気アーティストになると早めに売り切れる、日本からの購入は海外通販になるためドル決済、1ヶ月程度かかる海外配送などが購入ハードルになっている。

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・Merchbarでの購入体験はこれらの課題のいくつかを解決してくれる。1)Merchbarのアラートにお気に入りアーティストを登録しておくと新着アイテムを教えてくれる。2)商品の価格表記をユーザの国、通貨に合わせて変換。3)複数アーティストのグッズを横断して一括購入可能。

・Spotifyと提携。Spotifyリスーナーがアーティスト名でMerchbarの商品を閲覧。気に入れば公式も買える仕組み。公式グッズは音楽、アーティストのファン向けなので音から入る販売ルートはもっと自然かつ強力だ。

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Merchbarの仕組み

・アーティスト公式サイトのSKUとMerchbarではデータ・在庫数の共有している。公式サイトのショッピングサイトで裏でデータ連携する仕組みは構築しているようだ。

※中にはMerchbarが仕入れている(アフィリエイトでなく在庫を保有)ようで、公式サイトで取扱いの終わったものも販売している。

左がMerchbar、右がKhalid公式

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・アーティスト名検索(SEO)からの流入。アーティスト名とグッズ(march)で検索するとMerchbarが上位表示されてくる。アーティスト名から流れてきたユーザが顧客になると次回以降の購入も期待できる。* khalid merchで検索

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・Merchbarのビジネスモデルの評価

非上場企業のため詳しい業績など不明なため推測で評価している。

資金調達ラウンドは3回にまたがっており2017年に460万ドル、2018年300万ドルを調達しているが、過去2回は期間も短く昨年はダウンサイズしており、勝負をかけているか、資金消化が早まっているのか。シミラーウェブの数値は過去半年はじっくり上がっており、成長しているが急成長というわけではない。

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ビジネスモデル:2通りのビジネスがあるはずで、1つ目がアフィリエイトの手数料モデル。2つ目が通常の仕入れ、小売り。アーティストと契約する上でどちらを求められるのか。普通に考えれば大物アーティストになればなるほど販売力がある分けで買い取りを要求されるはずだ。アーティストもグッズ販売に力を入れており、自前のオンラインストアの運営、コンサート会場限定のグッズ販売(来た人しか買えない)、作品発売時に限定的に受注生産での販売を行うなどのパターンが存在している。

事業魅力度・競合差別性:

ファンにとって希少性および強い商品力・ブランド価値を持つ公式グッズ。それを扱うマーケットプレイスというモデル自体は、Amazonなどと直接競合するものではない。ファンは何度もグッズを買う可能性が高い。リテンションを確保できればユーザ獲得のROIを高める設計は可能そうだ。

*リテンション・LTVを高める仕組みとして、お気に入りアーティストの登録、メルマガやアプリでのアラート、という仕組みがある。

アーティストとの仕入交渉、契約はこのビジネスならではの癖がありそうだ。レーベル、アーティストのマネジメントとどう契約しているのか。ある程度、音楽業界に精通した人材がほしい。

技術・オペレーション:Shopifyに代表されるショッピングカートは格段にレベルが上がっており、それらの上でアーティストがストア運営している場合は、在庫・データの接続は柔軟に対応できそうだ。配送管理はグローバル配送かつアーティスト側との連携が必要なため工夫が必要だ。しっかり顧客対応するためにはアーティストから仕入れて物流・配送管理まで自社で手がけた方が高いサービスレベルが実現できる。

この事業はそういう意味で、1)アーティストとの契約・関係性、2)仕入・配送・顧客対応、3)在庫回転・利益率・キャッシュのバランス、4)アーティスト名を活用したマーケティングの4点をうまく回せるかどうかにかかっている。

補足:Merchbarのアプリ

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Merchbar: アーティスト公式キュレーションEコマース

今年も出ました必見レポート「インターネットトレンド2018」

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毎年この時期に米国ベンチャーキャピタリスト メアリー・ミーカー氏が発表する「インターネットトレンド2018」が先週発表された。今回も294ページという大容量で広くテクノロジー業界関連のトレンドをデータ付きで発表されている。

■通信機器の普及、利用時間の増大、動画などメディア活用の伸びから考えられる今後のサービス・ビジネスの在り方。

・モバイル・PC合わせた利用時間は1日5時間以上。

・スマホでの動画視聴時間は1日30分以上。

・Googleの音声認識技術は人と同じレベルの90%に到達。人が認識する声は、音声認識技術でも同レベルで理解できる。

・Facebookの一人当たりのユーザから得られる売上は2,015年の16ドルから17年は34ドルに。

と威勢の良いデータが盛り込まれている。この294ページの資料を見ていると、起業家が求める事業の実現性は技術や環境面の障害がなくなって来たことを実感する。数年前でもまだ早い、と思えたことは今日時点では実現してしまっていることもある。

・ヒットサービスのユーザ数が数億人単位で数えられることも多くなってきている。SNSなどネットメディア以外でのユーザ数も数億人!

個人的な前半のハイライトがサブスクリプションサービスの伸びだ。Netflix(動画)、Amazon(コマース)、Spotify(音楽)、プレイステーション(ゲーム)、Dropbox(ファイルストレージ)、ニューヨーク・タイムズ(新聞)、StitchFix(ファッション)、LegalZoom(法務サービス)、Peloton(フィットネス)など他分野で継続課金のサブスクリプションモデルで高い伸び率を記録している。前年比20%〜50%のような数字だ。モノやサービスが売り切りでなく継続的に課金するものになったことが実感できる数値。

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この294ページのレポートの特徴は意図的な結論を持ってくるためにデータをまとめている、というよりもデータの数々から読み手によって違う示唆を与えてくるタイプのレポートだ。あらゆる業界の人が読んでもそれぞれ参考になる点がある。

メアリー・ミーカーさん、今年もありがとうございました。

スライドURL:https://www.slideshare.net/kleinerperkins/internet-trends-report-2018-99574140

今年も出ました必見レポート「インターネットトレンド2018」

保険業界に新風!スマホ・若者向けに研ぎ澄まされた保険商品Lemonade

アメリカの保険業界で伸びてきているフィンテック系スタートアップの
サービスとビジネスモデルについて紹介したい。

以下、Lemonade(レモネード)というフィンテック保険会社の事例を紹介する。

Lemonade
https://www.lemonade.com/

Lemonadeは2015年に創業したニューヨーク拠点の
保険フィンテックスタートアップアップだ。
提供しているのは不動産(賃貸・所有)の火災・家財保険だ。
月間5ドル(600円)からかけられる格安・エントリー保険という立ち位置で、
ウェブからサクッと数分で申し込める手軽なUIが評価されている。

(サービスの加入者推移)
開始から8ヶ月で14,000人が加入済み。
2016年9月 263人 → 2017年5月 14,300人
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(ウェブサイトから登録の流れ)
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(見積もり結果)
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実際に私もウェブで見積もりを取ってみたが、選択式で必要事項を入力すると
月々の保険料は7.84ドル(900円)と表示された。
ここまでの所要時間は3分くらいだ。
あとはオプションを各種オプションを選択するとその分料金が加算される仕組みだが、通常の保険のウェブサイトのイメージと異なり
分かりやすいシンプルな表記やイラスト入りの親しみやすいデザインが、
保険に疎い層にも受け入れやすくなっている。

(付帯契約の案内画面)

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■Lemonadeのサービスの特徴
・数分で保険料の見積もり・申込が完了する。
・保険初心者にも分かりやすい表記・デザイン。
・保険による保障の請求もウェブ完結。短期間での審査・振込。

・人が介在しないサービス設計でコスト削減し、価格メリットを引き出せている。

■運営チーム
非保険業界のメンバーによって経営されている。
行動心理学にも通じているそうで加入者による
虚偽の申告を判定するアルゴリズムも開発している。
虚偽判定アルゴリズムで不正を排除し、本当に保障を必要としている顧客に
手厚くサポートできるようにしている。
(保険の請求画面)
チャットで保険申請も可能。
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Lemodadeは既存保険会社への送客をやっているアフィリエイトメディアではなく、
アメリカの州から保険業者として認可を受けて経営されている。
保険初心者や、より安い保険を求める人にフォーカスし、
手軽に申し込める申込フローで顧客を増やしており、
このサービスが拡大すると既存の保険業者はエントリー向けの商品シェアを失うことになる。
保険会社が持てない顧客接点をLemonadeが構築することで
業界の中でゲームチャンジが起こる可能性もありえる。
■フィンテックに期待されていること
Lemonade以外にも同種のお手軽・低価格保険のフィンテックスタートアップは複数存在するが、狙いの一つが保険エントリー商品だ。
この加入者リストは保険業界にとっては魅力的なリストになる。
低価格・最低範囲の保険加入者にアップセルできるリストだからだ。
この加入者リストで保険に対して関心や需要が顕在化している顧客層にリーチできる。

保険会社が顧客接点を重視する場合に、フィンテック企業との提携、
買収、出資のような協業モデルの模索は続くのではないだろうか。

(Lemonadeと同業フィンテック企業)
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保険業界に新風!スマホ・若者向けに研ぎ澄まされた保険商品Lemonade

birdeye 商品レビュー、ソーシャル投稿の監視と顧客関係の改善を行うソリューション

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birdeye(http://birdeye.com)

バードアイ:顧客の評価をリアルタイムで取得分析できるサービス。企業のオンライン上での評価を主要なサービスからデータ取得し、監視し顧客との関係改善のための施策を実施できる。Google,Twitter,Yelpなどなど企業や商品のレビュー・評価がなされるサイト250社とデータ連携しており、企業に該当するものを取得できる。企業はそのデータをもとに商品やサービスの改善につとめる。利用企業数は非公開、投資家は豪華でYahoo!、SalesForceの創業者が投資している。

顧客との関係改善のデータを網羅的に取得でき、改善施策を運用(KPI改善)レベルで実施できる点が素晴らしい。250のデータ・ソースに対応するだけでもかなりの作業量でこれを黙々と積み上げた強みが発揮されそう。

BtoB:C向けのサービスや商品(飲食店など含む)を提供している企業が利用している。

 

 

birdeye 商品レビュー、ソーシャル投稿の監視と顧客関係の改善を行うソリューション

Humble Bundle:チャリティー付きのコンテンツ課金

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Humble Bundle(https://www.humblebundle.com/sekai-project-bundle

ハンブルバンドル:ゲーム、アニメ、コミック・電子書籍、音楽などのエンタメコンテツをセットで割引販売するECサイト。収益の一部は慈善団体へ寄付され2010年以降で75億円以上が寄付された。利用者は計7百万人。ゲーム会社などにハンブルバンドルが呼びかけてコンテンツ販売と寄付を両立させるモデルでスタート。寄付をしながら、顧客獲得にもつながる面を評価されてコンテンツ提供元の企業が増加した。

非常に参考になるアイデア。スマパスのようなマーケットプレイスの事業要素も一部含みながら、課金の価格設定に寄付金を含めている。ユーザはそもそもセット売りコンテンツの購入で定価の総額より数十%安い価格で購入でき、コンテンツ提供元は販売しなら寄付ができる。三方良しのコンセプトが実現できている。

BtoC:仕入れたコンテンツをパッケージにして月額12ドル程度の課金サービスとして提供。収益は提供元への分配および寄付に使われている。

Humble Bundle:チャリティー付きのコンテンツ課金

Inmoji: 絵文字を広告キャンペーンとして配信するアドネットワーク

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Inmoji(https://inmoji.com)

インモジ:絵文字を広告キャンペーンにしてユーザに提供できる。LINEのスポンサースタンプに近い。インモジの絵文字はAppleのiMessangerやFB messangerなど主要なチャット上で利用可能。広告主は自分で作った絵文字をインモジを通して配信できる。昨年の広告配信は100億回以上。

LINEスタンプはLINE上でしか使えないが、インモジでは主要なチャットアプリ(LINEは非対応)をカバーしており、ユーザの利便性は高い。広告はインモジのSDKを実装しているアプリを通して配信される仕組み。

BtoB:アドネットワークモデル。広告主は広告費用を支払い、インモジと掲載アプリでシェアしている。シェア率は不明。

配信媒体数(アプリ):3500万アプリ

年間クリック数:2.5億クリック、 年間impression数:100億imp

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Inmoji: 絵文字を広告キャンペーンとして配信するアドネットワーク